今回紹介する1冊はこちら。
『エンジニアが知っておきたい思考の整理術』
【著 者】・・・開米 瑞浩
【発行日】・・・2023年12月21日
【頁 数】・・・207ページ
こんな人にオススメします!
- 伝えたいことがあり過ぎて逆に何も伝わらない方
- 報告などの文書を作成することが苦手な方
- 他人の文書をレビューする立場の人
- 簡潔でなおかつ伝わる文書を作成できるようになりたい方
著者はどんな人?
- 1986年 東京大学理科一類に入学
- コミュニケーションに問題を抱えメンタルを崩し中退。プログラマーを始めたもののやはり周囲とうまくコミュニケーションがとれず挫折。しかしそれらの経験をふまえて難解な技術情報の論理構造を整理し図解説明する技術の教育研修カリキュラムを開発し、2003年から独立し企業人材教育を手がける。
- 著書に『エンジニアのための伝わる書き方講座』、『エンジニアを説明上手にする本』など13冊。
- テクノロジー、サイエンス分野のライターや教材開発も手がける。
本書の特徴
本書は思考を整理するテクニックと習慣、つまり「思考の整理術」を記した本となっております。
本当に重要なのはアウトプットの手段ではなく、その前の段階の「脳内でごちゃごちゃしている考えをまとめる力」だと著者は言います。
「ロジカルシンキング」の誤解
ロジカルシンキングが「論理的に考えて1つの正解を出すための手法である」というのは誤解。「明らかにダメな大量の選択肢を効率よく消していくために使うもの」であって、正解を出すためのものでは無い。
本書から引用した上記は著者のロジカルシンキングに対する考え方で、体系的に整理する、矛盾がない、筋道が通っているといったことを意味する言葉が「ロジカル」ですから、「思考の整理」にはうってつけだと言えます。
具体的なパターンを取り上げて解説
本書には「報告、企画提案、教育」といったパターンによって異なる文書の整理術が解説されています。
「何を目的とした文書なのか」を明確にしたうえで思考するべき、といった例が具体的に述べられています。
文章だけの方が良いのか、図を使った方が良いのか、適切な図の量、色の使い方など細かい解説ページもあります。
読んで感じたこと
「エンジニアが知っておきたい」と題されており、著者もそれを想定した内容に仕上げたとのことですが、エンジニアだけでなく多くのビジネスパーソンに当てはまる内容です。
「報告する際に真っ先に伝えなければならないのは行動につながる情報です。」という記述もあるように、目的のために論理的に考え思考を整理すると良いということが分かる本です。
「情報」は他所からもらうもの、「思考」は情報をもとにして自分の脳内で考えることと書かれていますが、大量の情報に容易にアクセスできる現代では、情報収集以上に「思考の整理」が必要性が書かれています。
個人的には、8章の『「問題解決」に役立つ情報整理の考え方』が興味深かった。
情報システム部である自分の職業柄、課題を解決しより良い改善に繋げていくことを仕事にしているので、問題や原因の分析を取り扱うこの章は自分に取り入れられる部分でもありました。
本書のポイント
本書が伝えたいこと
- 長文の整理方法
- 複雑なつながりのある話題の整理
- 報告、企画提案、教育といったパターンに応じた思考の整理
- 問題解決に役立つ情報整理術
関連書籍
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