日本の競馬で走る競走馬の【毛色】全8種類を紹介します!

- 馬という動物
あまざけ
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毛を持つ動物はいろんな毛色を持ちますが、サラブレッドも多種多様な毛色を持ちます。

この記事では、JRA(日本中央競馬会)に登録されている馬の毛色8種類を代表馬とともに紹介していきます。

馬の毛について

まずは「馬」という動物の毛の基本について。

馬の毛の名称

「被毛(ひもう)」・・・体の表面に生えている短い毛。
「長毛(ちょうもう)」・・・まえがみ、たてがみ、尻尾といった体の一部に生えている長い毛。

文章だけでは分かりにくいので、実際の写真を見てみましょう。
ここでは「キングカメハメハ」さんの写真をお借りします。

まえがみ・たてがみ・尾毛といった長毛は読んで字のごとく長い毛なので目立ちますし、馬の身体的な特徴でもありますね。

長毛以外の体全体に生えている短い毛が「被毛」です。

この被毛は、犬など他の動物と同様に寒い時期になると伸びます。いわゆる「冬毛」ですね。
現役のサラブレッドは常に人間の管理が行き届いた生活をしているので、野生の馬のように冬毛がボーボーになることはまずありません。しかし冬のパドックを見るとふわっとした被毛の馬を見ることもあります。

馬だって寒いですからね、冬に毛が伸びるのは生き物として当然です。

サラブレッドの毛色は8種類

一覧にすると下記の表の通りです。
2024/11/30時点でJRAに登録されている全8,325頭の内訳です。

毛色 英語表記 頭数 シェア
 鹿毛  (かげ)  Bay  3,947  47.4%
 栗毛  (くりげ)  Chestnut 1,680 20.2%
 黒鹿毛 (くろかげ)  Dark Bay 1,629 19.6%
 青鹿毛 (あおかげ)  Brown 564 6.8%
 芦毛  (あしげ)  Gray 440 5.3%
 青毛  (あおげ)  Black 52 0.6%
 白毛  (しろげ)  White 7 0.1%
 栃栗毛 (とちくりげ)  Chestnut 6 0.1%

鹿毛(かげ) – Bay

被毛は明るい赤褐色から暗い赤褐色で、長毛と四肢の下部は黒色。栗毛との違いは長毛と四肢の下部の色で、栗毛は黒くなりません。

現役競走馬の47.4%を占め最も数が多い「鹿毛」という毛色。
一目見ても「うま!」ってイメージ通りの毛色ですよね。

本賞金上位5頭は、
ウシュバテソーロ、パンサラッサ、アーモンドアイ(上記画像)、ドウデュース、キタサンブラック。

他にも、ジェンティルドンナ、モーリス、ロードカナロア、ホッコータルマエ、ジャスタウェイ、メイショウサムソン、シンボリルドルフ、ネオユニヴァース、ドゥラメンテなど挙げだすとキリがありません。

栗毛(くりげ) – Chestnut

被毛は黄褐色で、長毛は被毛より濃いものから淡く白色に近いものまであります。鹿毛と違って、長毛と四肢の下部は黒くなりません。

本賞金上位5頭は、
テイエムオペラオー、オルフェーヴル、シュヴァルグラン、ダイワメジャー、ナリタトップロード。

他にも、スワーヴリチャード、マヤノトップガン、レッツゴードンキ(上記画像)、コパノリッキー、カネヒキリ、サイレンススズカ、ゴールドアリュール、テンポイント、ラッキーライラックなどなど。

尾花栗毛(おばなくりげ)

栗毛の中には「尾花栗毛」といって、長毛が白い個体も生まれます。

尾がススキの穂(尾花)のように見えるためこう呼ばれます。JRA登録上は「栗毛」として扱われます。

金髪のようで目を引く毛色。まるで外国の王子様のような佇まい。
代表的な馬は、タイキシャトル、トーホウジャッカル、ゴールドシチー、トウショウファルコ(上記画像)など。

「栗(くり)」は英語で「マロン」じゃない?

※余談です。

「栗」というと「マロン」という言葉が思い浮かび、英語として使ってしまいがち。でも実は「マロン」は英語ではありません。

「栗(くり)」の外国語

「marron(マロン)」・・・フランス語
「chestnut(チェスナット)」・・・英語

英語で「マロン」と言うと「ザリガニ(marron)」を意味します。

黒鹿毛(くろかげ) – Dark Bay

被毛の色合いが黒味がかった赤褐色で、中には相当黒く見える個体まであります。眼の周辺、腋、ひばら、下腹及び内股は褐色で、長毛と四肢の下部の色は被毛の色の濃淡にかかわらず黒色。

本賞金上位5頭は、
ブエナビスタ、ゼンノロブロイ、スペシャルウィーク、シンボリクリスエス、ナリタブライアン。

他にも、ステイゴールド(上記画像)、リスグラシュー、ラブリーデイ、ライスシャワー、ヴィクトワールピサなど。

青鹿毛(あおかげ) – Brown

ここからは毛色シェアが10%を切ります。

「青」なのに英語表記は「brown」で実際の見た目はほぼ黒色という、脳がバグりそうになる毛色。
全身がほとんど黒色で、眼、鼻の周辺、腋、けん等が僅かに褐色。

本賞金上位5頭は、
イクイノックス、コントレイル、ディープボンド、ゴールドアクター、ジャスティンパレス。

他にも、フェノーメノ、サンデーサイレンス、マンハッタンカフェ(上記画像)、デアリングタクト、チュウワウィザード、キズナ、フジキセキ、ソウルスターリングなど。

芦毛(あしげ) – Gray

引用:https://world.jra-van.jp/

白から灰色の毛と、黒っぽい肌が特徴の「芦毛」。

生まれたころの毛色は栗毛、鹿毛等の別の色で被毛全体に白い毛が混ざって生えており、年を取るに従い徐々に白くなっていくことが大きな特徴です。毛色がほぼ真っ白になったとしても肌は黒いままで、毛の薄い所でそれを確認することができます。

本賞金上位5頭は、
ゴールドシップ、クロノジェネシス、メジロマックイーン、オグリキャップ、ビワハヤヒデ。

他にも、レッドファルクス(上記画像)、ホエールキャプチャ、セイウンスカイ、クロフネ、タマモクロス、ウインブライト、アップトゥデイトなど。

年を取るに従い徐々に白くなっていく

芦毛は年齢が進むにつれて白色の度合いが強くなり最終的には真っ白になります。

なので、現役時代の数年間だけでも白さの度合いが変わる面白い毛色です。

「ゴールドシップ」を例にとって白さの変遷を見てみましょう。

引用:https://wikiwiki.jp/sppenpen/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B2
https://www.jra.go.jp/
https://www.jbis.or.jp/

当歳時はまさかの茶色!

そこからだんだんと白みが強くなっていき、最終的には白毛馬と見間違えそうになるほどの白さになります。

ちなみに、この馬「エイシンヒカリ」も芦毛なのです↓

引用:https://www.jbis.or.jp/
引用:https://www.eaststud.com/stallions/a-shin-hikari/

現役時代は芦毛要素ゼロで黒鹿毛に見えますね。しかし、年齢をかさね種牡馬となったその姿はまごうことなき芦毛!

あまざけ
エイシンヒカリの現役当時、筆者はこの馬のことを芦毛だとは思っていなかったです。

青毛(あおげ) – Black

引用:netkeiba.com

被毛・長毛ともに黒色。この毛色は季節により毛の先が褐色となり黒鹿毛や青鹿毛のように見えることがあります。眼の周辺、鼻の周辺をよく観察して判断しなければなりません。

獲得賞金上位5頭は、
ヴェラアズール、ヴィルシーナ、ガルボ、ローズバド、ビートブラック。

他にも、ヴィブロス(上記画像)、シーザリオ、ロサギガンティアなど。

英語表記も見た目も「黒」なのに「青毛」と呼ぶのは日本語特有の古来からの表現。

広辞苑にも青毛の項に「奈良時代は黒みを帯びた青色を指し・・・」と記述があります。

筆者の個人的な感覚として、馬への光の当たり方によっては実際に青黒く見えることもあると感じます。

白毛(しろげ) – White

この毛色の産駒は白色または全身の大半が白色で生まれますが、眼には色素があり、ピンク色の皮膚の一部に有色の斑点があるので、アルビノではありません。

芦毛と違い、白毛馬は生まれたときに既に毛の大半が白いです。

獲得賞金上位5頭は、
ソダシ(上記画像)、ハヤヤッコ、シロニイ、ブチコ、ブッチーニ。

ちなみに、この5頭すべて「金子真人」オーナーの馬です。
金子オーナーはディープインパクトやキングカメハメハなど多数の名馬を所有し、日本ダービーを4勝(最多)しているすごいお方。

「ソダシ」が世界で初めてとなる白毛馬のG1勝利でも有名です。

ちなみに、「ブチコ」や「マーブルケーキ」のように模様がある白毛馬もいます。

白毛の遺伝子

日本で生まれた馬の家系として「ハクタイユー」と「シラユキヒメ」が白毛遺伝子を後世に多く伝えています。

1979年、日本で初めて白毛と認められたサラブレッド「ハクタイユー(牡)」が誕生しました。
ハクタイユーは黒鹿毛の父と栗毛の母から突然変異で生まれた白毛馬です。なお父馬は1972年のダービー馬である「ロングエース」。

1996年、こちらも突然変異で生まれた白毛の「シラユキヒメ(牝)」。サンデーサイレンス産駒であり、オーナーは金子真人さんです。

ハクタイユー、シラユキヒメともに未勝利で引退。白毛の遺伝子を残すため、ハクタイユーは未勝利馬ながらも種牡馬入り。

異なる時代で白毛の遺伝子を残したこの2頭が日本の白毛のルーツとなっております。

なお、海外産白毛馬の遺伝子も日本で紡がれています。「カスタディーヴァ」と「サトノジャスミン」がそれにあたり、2020年以降それぞれ2頭の白毛馬を産んでいます。

栃栗毛(とちくりげ) – Chestnut

被毛は黒味がかった黄褐色から黒味の非常に濃いものまでありますが、黒色にはなりません。長毛は被毛より濃いものから、白色に近いものまであります。

英語表記について、海外では栗毛と栃栗毛が区別されていないため栗毛と同じとなっています。

獲得賞金上位5頭は、
サクラローレル、マーベラスサンデー、ノンコノユメ、デアリングハート、ダイナマイトダディ。

他にも、サッカーボーイ(上記画像)、ノボリディアーナ、エガオヲミセテなど。

「デアリングハート」は牝馬三冠を達成した「デアリングタクト」の母の母です。

現役馬には6頭しか登録されておらず、白毛よりも少ない非常にレアな毛色です。

まとめ

日本で走る競走馬の毛色全8種類を紹介してみました。

競馬はギャンブルという面だけではなく、「馬という動物」に目を向けるのも必要なことじゃないでしょうか。

今回は「サラブレッドの競走馬」という括りでしたが、馬にはまだまだ多数の毛色が存在します。

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あまざけ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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