今回紹介する1冊はこちら。
『新・種牡馬キャラ』
【発行日】・・・2022年3月25日
【頁 数】・・・189ページ
Contents
こんな人にオススメします!
- 競馬が好きな方
- 予想に血統を取り入れている方、取り入れようとしている方
- サラブレッドの血統が好きな方
- 競走馬の「本質」を知りたい方
- 新しい予想方法を取り入れたい方
著者はどんな人?
著者の本島修司氏は作家、エッセイスト。
競馬論を説いた著書が多く、
・「競馬の本質を見極めると必然的に好走する」
・「この馬は次にどのレースで好走するか、という縦の比較」
を提唱し話題に。
以下は著者の別の書籍『Keiba Aloof Best Theory Note』に「一流の競馬男の定義」として書かれている文章です。
一流の競馬男は、木曜日か金曜日に競馬の見解をまとめ終わっている。
そして馬券はスマホで購入し、週末は競馬以外のことをしている。
競馬以外のコミュニティを持ち、そこで遊んだり、人と語ったことを、その後、競馬にも活かすようにしている。
本島氏の著した競馬書籍には、「勝てる」や「儲かる」といったキャッチは一切付けられておりませんし、射幸心を煽られることもありません。
「かっこいい大人の男の趣味」としての競馬との向き合い方が記されています。
あまざけの所感
本というのは、著者からしたらいわば虎の巻。核心に触れることを易々と引用してはいけません。
このブログを読んでいただいているあなたに概要や見どころを紹介し、「本を買って詳しく読みたい!」と思ってもらえるような記事作りを目指しています。
突出した能力の種牡馬がいないという「カオス」
ディープインパクト、キングカメハメハ。
種牡馬界の2大巨頭が不在となり、争いが拮抗勝負となっている今、「種牡馬の傾向」が掴みにくくなっていると感じているかもしれません。
ロードカナロアやエピファネイアが自身とは異なる産駒を多く送り出し、あのゴールドシップ産駒がオークスを勝ちました。
傾向をデータで見極めようとしても新種牡馬はサンプルが少なく、評価が出来ない・・・。
そんな中、新しい切り口で血統を評価する著者の理論。
種牡馬戦国時代の今だからこそ、読むべき1冊だと感じました。
新種牡馬の台頭。社台がアメリカから導入した新しい血脈も続々と到着。そして、「どの種牡馬からオープン馬が出るかわからないという状況」が続いている。
彼らをどう扱うか。その答えがこの本の中にある。
「種牡馬の特徴解説」に特化
本書はタイトル通り、「種牡馬の特徴解説」に特化した内容です。
46頭の種牡馬が紹介、解説されています。
本書は、種牡馬たちを「キャラクター化」した本だ。
競馬場では、どの種牡馬も「キャラクター通り」の走りをする。それは、そのまま馬券に活かすことができる。
『本質』を捉える考え方
他の競馬本には例えば『東京芝2000mが「2.4.1.3」だからこの種牡馬の得意コース!』といったようなデータが紹介されているものが多くあります。
検証に足るサンプル数があれば、これは有用な指標となります。
(サンプルが少な過ぎるデータも多いですが・・・)
ですが、著者の考え方ではデータを使いません。
データと特徴を短絡的に結びつけることはせず、「なぜこのコースが得意なのか」をその産駒や過去の似ている馬を例に挙げて解説されています。
過去のレースはとことん解析
例えば『ゴールドシップ』の解説ページには、
・むしろ気性は素直だと思う。要は「上がりがかかるか、かからないか」。
・ゴールドシップは長くいい脚を使う。さすがに32秒台の攻防に入るとキツい。
・完全にコースで見る種牡馬。オークス馬が出ているのに東京がイマイチ?と思うかもしれない。中山での走りが上手過ぎて関東圏では中山にしか目がいかない。
とあり、それぞれの理由も書かれています。
著者はデータは一切見ないが、過去のレースはとことん解析。
レースを解析し、良駒を見極め、その種牡馬の本質を判断するのが著者のやり方。
なお、サンプル数が少ない事例については「サンプル数が少なく判断しかねる」といったことがハッキリと書かれています。
本書のポイント
最後に本書のポイントをまとめておきます。
- 「種牡馬の特徴解説」に特化した内容
- 表面上の理由だけではなく「本質」を捉える
- データは一切見ないが、過去のレースはとことん解析
関連書籍
血統に関する書籍の紹介記事がありますので、併せてぜひご覧ください!
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