馬の視界は約350度!
非常に分かり易い画像があったのでお借りしました↓
このように、馬は自分の真後ろ以外は「顔を正面に向けたまま」見えるのです。
ポイントは「目の位置」
馬は目が顔の横に付いています。
なので、この広い視界が実現しているのです。
野生に存在しないとはいえ、サラブレッドも「馬」です。
彼らは自分を襲ってくる肉食動物にいち早く気付かなければなりません。
そのため、首を動かさなくても広い範囲を見渡せるこの目は生き延びるために重要なのです。
同様に、牛や鹿、ウサギなど草食動物の多くは顔の横に目が付いています。
両目で立体的に捉えられる範囲は狭い
視界が広い反面、「両目を使って見える範囲が狭い」のも特徴です。
両目で見る、つまり”視野を重ねること”によって対象を立体的に捉えたり距離を測ることができます。
馬が両目を使って見れる範囲は約60~75度です。
ちなみにヒトは120度あります。
当然、顔の横に目が付いている馬は顔の正面に目が付いているヒトより視野を重ねられる角度は狭くなります。
顔の正面に目が付いている生き物は両目で捉えることが出来る範囲が広く、主に「肉食動物」がこれにあたります。ヒト、ライオンやトラ、イヌなどがそうですね。
獲物との距離を測らないと仕留めることができない、つまり生き延びることが出来ません。
肉食ではないですが樹上で生活するサルなども同じですね。距離感が分からないと木から木への移動もできません。
このことからも、草食動物は「肉食動物から逃げる」ことに特化しているということがよくわかります。
馬は見えないものは「存在しないもの」と見なす
”馬は見えないものは「存在しないもの」と見なす”とは、『馬はなぜ走るのか』(著者:辻谷秋人)という本で紹介されていた元JRA競走馬総合研究所の楠瀬良氏の言葉。
以下は、その『馬はなぜ走るのか』という書籍からの引用です。
視野が180度ほどのヒトは「見えない場所がある」ということを知っていますが、視野が約350度の馬は「自分の見えていない部分がある」という意識がない。
馬は突然視界に入ってくるものに対して、とても敏感に反応するが、これも「(いま見えている)すべてのものは安全だと判断していたのに、別のものが現れた」ことに対する驚きと考えられる。
「馬の真後ろを通るな、蹴られるぞ」とよく言われる。
これは馬がただ攻撃的な訳ではなく、馬の真後ろを通ることでいったん視界から消えたものが反対側から突然現れたことに驚いているのだ。
とくに馬は視界の隅にあるものには敏感に反応すると言われているので、これも肉食動物から逃げる危険察知のための能力なのだろう。
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