本はすばらしい教材
専門家。一流のビジネスマン。ユニークなスキルを持った人。
そのような「高度な技術を持った人たち」の考えや意見を簡単に手に入れられる「本」という媒体。
しかも価格は1冊1500円ほどとお手頃。
本とネット情報との大きな違いは、ソース(情報の出どころ)がはっきりしているかどうかということ。
本は誰が書いたかなどのソースもハッキリしているし、場合によってはその本を作成するときの参考文献も記載されています。
この「高い信憑性」だけでも本を買う価値はあると考えます。
この記事では、僕が参考にさせてもらった本を紹介していきます!
「投資の大原則 第2版」
- 著者:バートン・マルキール、チャールズ・エリス
- 訳者:鹿毛雄二・鹿毛房子
- 第1刷:2018年7月4日
今回紹介させていただくのは「投資の大原則 第2版」という本。
著者のひとり、バートン・マルキール氏はアメリカの経済学者で、著書には「ウォール街のランダム・ウォーカー」というロングセラーがあります。
もうひとりの著者チャールズ・エリス氏はアメリカの投資コンサルタント。さまざまな経歴を持ち、業界を代表するひとり。
著書に「敗者のゲーム」があります。
こんな偉大なふたりの考えを書いた本が1,600円(税別)で読めるなんて感激しませんか!?
なお、初版は2010年に発行され、2018年発行の第2版では第6章が追加されています。
まず、この本のカバーのそでの部分に推薦文が書かれていました。
本書は、これまで投資をしたことのない方にも、経験のある方にも必読の書である。高校でこの本を読むことを義務化するといい。複利の効果はとくに若者に役立つものだからだ。投資経験豊かな方々にも、この本は役に立つ。多くの思い違いを指摘し、無意識に犯す間違った行動を明らかにしてくれるからだ。自分の思い違いや間違った行動がわかれば、自ずと投資はうまくいく。もっといい方法があるはずだという誘惑に駆られないように、この本を何年かに1度は読み直してほしい。
バンガード最高投資責任者 ガス・ソーター
ポイントは「時間を味方につける」こと。
第1章の最初に書かれている文章は「まず貯蓄を始めよう」です。
投資本だから銘柄の分析方法やお金の使い方が書かれていると思いきや、「お金を使わずに貯めなさい」といきなり言われます。
序盤に書かれているのは、さまざまな節約方法。
「カフェラテじゃなくて普通のコーヒーにしよう」とか「給料から天引きして貯金に回す」とか。
「これは本当に投資の本なのか・・・?」と疑いたくなるような内容ですが、「コツコツと時間をかけてお金を増やす」ということがひとつの投資の原則となるわけです。
そして、”時間を味方につける”ということは複利を最大限に活かすということ。
著者は「時は金なり」の本当の意味としてこの「複利」を挙げています。
複利とは簡単にいうと「投資したお金に利息が付くだけでなく、その利息にも利息が付く」ということ。
ゆっくりと、しかし確実にお金を貯める秘訣は再投資(複利)にある。
と書かれているように、節約したお金を投資に回して複利の力で少しずつ増やしていくということがこの本で最も主張したいことではないでしょうか。
なお、「投資」と「投機」の違いとは。という記事で複利についての説明をしていますのでぜひ読んでください!
大きな失敗を避け、投資コストを最小限に抑える
第2章~第5章では、守るべき大きなルールや心構えが書かれています。
投資リターンを確実に増やす1つの原則は、投資コストを最小限にすること。
と書かれているように、手数料や税金のような「コスト」を抑えることは利益を伸ばすこと以上に重要なこと。
コストは主に「手数料」と「税金」。
どんなにリターンが多いファンドでも運用手数料が高額であれば手元に残る利益は減り、リスクの割に利益が少ないということだってありえます。
証券会社の営業員にとって一番大切なことは自分のボーナスだ。彼らの本当の仕事はあなたのために働くことではなくあなたからお金を稼ぐことだ
なので著者は「インデックスファンド」を薦めています。
著者が薦める理由としては、
- 手数料が安い
- 税制面で有利
- 分散投資が容易
とのこと。
なお、インデックスファンドの基本については以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください!
投資はティーンエージャーの子供を育てるようなもの。子供が大人へと成長していく過程こそ「興味深い」ものだ。経験のある親は、長期的観点から育てるべきだと知っている。毎日のドタバタに振り回されないように。これは投資にもあてはまる。
株価やファンドの価格は毎日変動し、時には上がったり、時には大きく下がったりします。そのたびに一喜一憂してはいけないということが書かれています。
実際、それぞれの株価指数をみても長期的には右肩上がりなわけですから、一時の不安に押し潰されて狼狽売りをしてはいけませんね。
暴落期であってもあてはまる大原則
第2版で追記された第6章は「リーマンショックという大暴落が起きても大原則を守っていれば資産は増え続ける」ということ。
要するに「長期投資には暴落は付き物。だからそれにどう向き合うか」という内容。
「ドルコスト平均法で定額で買い続けていく」、「狼狽して底値で売らない」といったことを続けていればリーマンショックを乗り越えられたということをデータを使って説明しています。
そして、2018年時点でもインデックスファンドで長期運用の重要性と優位性は変わらないという考えが書かれています。
あまざけの感想
新型コロナが発生する前に書かれた本ですが、今回のコロナショックにも当てはまる内容です。
株価指数的にはすでにコロナショックは過去のものになっていますが、2020年の絶望感は悲惨なものでしたよね。
こういった大きな変動期であっても、この本の掲げる長期投資の手法は通用するんだと強く感じました。
インデックスファンド。はっきりいって地味な金融商品です。
指数に合わせて機械的に売買するので、大きなリスクは無いけど大きなリターンもありません。
そんな中、世界のニュースではやれ中国やインドの急成長だ、ハイテク株はどうだ、だのと興味関心を引くホットな話題が溢れています。
もしかしたらあたなの知人で株で大きく儲けたという方もいるかもしれません。
ですが、そういうときこそこの本の内容を、ひいては歴史を振り返ってみましょう。
ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショック・・・他にも大暴落を引き起こした事件は数多くあります。
「勝ちに行く」のではなく、「負けないようにする方法」が書かれた本。
おすすめです!
ぼくが勉強するときに参考にするものは”本”です。
この記事ではその本の紹介をしていきます!