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「投資」と「投機」の違いについて
「投資」とは…
付加価値を生み出す資産に長期的に資金を投じること
- 具体的な投資先は、株式・投資信託・国債・不動産など
- 長期保有し投資先の成長に合わせて少しずつ利益を増やしていくことが特徴
- 対象そのものが資産を生み出す
- 参加者の損失と利益の合計がプラスになる「プラスサムゲーム」。参加者全員が利益を得ることが可能。
「投機」とは…
機会にお金を投じて短期的な売買を繰り返し、利ザヤを稼ぐことと
- FX・仮想通貨・株式の短期売買、コモディティなど
- 1日の間に何度も取引することもあり、「買った時と売った時の価格差」で利益を出す
- 対象そのものは資産を生み出さない
- 価格は需要と供給のバランスによって決まる
- 参加者の損失と利益の合計がゼロになる「ゼロサムゲーム」。得をする人もいれば損をする人もおり、参加者で利益を奪い合うことになる。
人に聞かれたときは上記のことを自分の言葉にして説明しましょう!
投資の特徴
「投資」とひとことで言っても、大部分は「株式投資」に当てはまると思います。これは、将来的に成長が見込める株式会社に長期的に資金を投じ、利益の一部を得ることです。
投資のメリット
メリット① 「複利」のチカラでお金が増える
複利とは、運用して得られた利子を運用元金に加え、元金+利子の合計額で運用することで、「利子に利子が付く」ということです。
例えば。
10,000円の元金を利回り5%で運用した場合、1年後には500円の利益となり、合計額は10,500円となります。
2年目はこの10,500円を元に年利5%で運用して、といった感じで利子を上乗せした金額で運用を続けるということです。
そしてこの複利の力は「積み立て投資」だと威力は絶大なのです。
100,000円を年利5%で毎年積み立てるのと、銀行預金に毎年100,000円貯金をするのとを比較してみると。
なんと10年間で約32万円もの差ができてしまいます。
もちろんこれは利率の変化や税金を無視した数値です。ただ、「積み立てNISA」だと運用益には20年間非課税となります。通常だと得た利益に20%の税金が課せられるので、かなりお得な制度となっておりますので利用しない手はありません。
なので、この複利の力がある限り投資期間が長期であればあるほど効果が高くなります。
メリット② リスクを分散できる
値動きの異なる投資先を複数保有したり、長期保有することによりリスクを抑えることができます。
「値動きの異なる投資先に分散」。例えば。
自動車メーカーは輸出によって多くの利益を得ていますので、為替の影響を受けます。ですが、外食産業などは利益は国内需要によって左右されるので為替の影響はほとんど受けません。
なのでこういった投資先を複数保有することで、ある要因で片方の価値が下がっても片方の価値は上がる、もしくは下がらないといった動きをするので損失を抑えることができる、というわけです。
「長期保有によるリスク抑制」。例えば。
一時的に株価や基準価額が下がったとしてもそれは大きなうねりの一部なので、長期保有の考えがあればその後の値上がりに期待できますし、積立投資であれば価格が低いときは同じ金額でより多く購入できるドルコスト平均法という考え方もあります。
世界恐慌、リーマンショック、東日本大震災、米中貿易戦争やコロナショックなど世界的な大きな出来事があって一時的に大暴落することはありますが、歴史を知ればその後どうなったのかを学ぶことができますよね。
メリット③ 精神的にも楽に継続できる
なによりなのは「時間を取られない」こと。毎日市場に張り付いて売買を繰り返すデイトレードと違い、気になった時に確認するくらいで十分。商品を買う際にじっくり時間をかけて吟味さえしておければ、あとは基本的に何もすることがありません。
長期投資は一時的に暴落があったとしても長期的に見て値上がりしているかどうかが重要。ニュースで悪い情報を目にしても「今すぐ売り抜かなければ損する!」と焦る必要はありません。むしろ暴落は「安く買えてお得」くらいの気持ちでいられます。
株価は毎日変動するものですから、その値動きに一喜一憂することなく過ごせることは重要です。
投資のデメリット
デメリット① 利益を得るまでに時間がとてもかかる
これは言うまでもなくですね。数年以上先の成長を見越して投資するので、どうしても時間がかかります。
デメリット② 失敗した際の「時間のロス」が大きい
リスクがある以上、損する可能性はゼロではありません。短期投資なら「時間」のロスは最小限で済みますが、長期投資の場合は年単位の時間をロスすることになります。これは金額以上にダメージが大きいと思います。
デメリット③ 先行きの見通しが難しい
10年後の世界がどうなっているのかなんて誰にも分かりません。だからこそ分散してリスクを抑える訳ですが、コロナショックのように世界的な経済危機で大暴落することが今後もあるかもしれません。
投機の特徴
「機会にお金を投じる」という通り、価格が安いタイミングで買い、購入金額より価格が上がれば売り、その差額を利益とする手法です。
株式会社の成長や運用利回りなどは関係が無く、チャートの変動に合わせて売買を繰り返します。
投機のメリット
メリット① 短期間で利益を出せる
投資とは異なり、短期的な価格変動で利ザヤを得る行為なので、上手くいけば1日~数日でかなりの額を稼ぐことも可能。
さらにFXなどでは「レバレッジ」という、元金以上のお金を取引に使える方法もあります。これにより、手元には10万円しかないけどレバレッジをかけて100万円の取引を行える、ということが可能になります。
10倍のレバレッジをかければ利益は10倍になり、一気に利益を増やすことができます。
メリット② リスク管理がしやすい
短期での売買になりますので、価格のチェックは常にしておかなければなりません。なので、時間と手間はかかっているものの、金額面でのリスクは最小限に抑えることができます。
投機のデメリット
デメリット① 価格チェックは常に必要
刻一刻と変わる価格を確認しながら売り時買い時を見定めなければならないので、常に市場に張り付いていなければいけません。勤め人ですと、仕事中も市場が気になって仕方がないと思います。
価格は上昇と下降を繰り返すことが当然で、値動きに気を取られすぎると気が休まる時間なんて無くなります。
デメリット② 手数料などコストが大きくなる
短期間で売買を繰り返すので、その分の手数料がかかります。取引手数料が安かったり割引があったりする証券会社を選ぶことでこのデメリットは緩和されますが、コストがかかることを前提にしなければいけません。
デメリット③ レバレッジによるリスクが大きい
レバレッジとは、保証金を預けることで元金の何倍もの取引が可能になることを言います。
つまり借りたお金で取引をすることになるので、失敗時の損失はかなりのものになります。
最後に。
「投資は危険」と言って寄り付かない人は、おそらく「投機」のことを投資と誤解しているのだと思います。
一括りにして敬遠するのではなく、まず知ることだけでも大切だと思います。