今回紹介する1冊はこちら。
『馬券力の正体 収支の8割は予想力以外で決まる』
【著 者】・・・TARO
【発行日】・・・2022年12月12日
【頁 数】・・・271ページ
Contents
こんな人にオススメします!
- 予想は当たったけど馬券を外すという経験がある方
- 回収率向上のための馬券の買い方
- 券種それぞれの特徴や使い方
著者はどんな人?
著者のTARO氏は競馬の予想家。
1984年生まれで、中学2年から予想公開をスタートし、ブログは月間最大100万PVを超えるアクセスを記録。
雑誌、テレビ、ネットなど活動範囲は多岐にわたり、メルマガ配信や書籍も多数発刊されています。
書評にあたって
本というのは、著者からしたらいわば虎の巻。
核心に触れることを易々と引用してはいけないと僕は考えます。
このブログを読んでいただいているあなたに概要や見どころを紹介し、「本を買って詳しく読みたい!」と思ってもらえるような記事作りを目指しています。
あまざけの所感
馬券の種類についてJRAのHPに分かり易い解説が記載されていますので、そちらをご参考ください。
(初めての方へ:馬券の種類 https://www.jra.go.jp/kouza/beginner/baken/ )
それでは、本書の見どころや特徴を紹介していきます!
著者は「人間らしい」買い方をする
感情的になるとか、そういう訳ではありませんよ。誤解なきようお願いします。
著者は単勝1点勝負のようなアタマ固定の買い方は好まないとのこと。
理由は「できるだけ長くレースを楽しみたい」から。
競馬で飯を食べてるTARO氏とはいえ、「競馬というギャンブルを楽しみたい」が前提にあるように感じました。
僕のように趣味で競馬を楽しでいるエンジョイ勢には、こういう本の方が共感を得やすいです。
「ロボットのように感情を消してストイックに競馬に向き合い、自分のルールを順守して初志貫徹する」といった考えは勝つためには必要だと、様々な競馬書籍を読んできて、よーく理解できます。
でも、やっぱりギャンブルは遊び。楽しみたいですよね。
趣味は競馬だけでは無いのですから、たまには手を抜いてもいいじゃないですか。
あ、本の内容はストイックですよ!
著者は「楽しむために本気を出す!」といった考えかなと感じました。
「回収率向上のための馬券の買い方」が書かれている
本書には予想についてのノウハウ等は一切書かれておりません。
書かれているのは「回収率を上げるための最適な券種選び」です。
「予想」を売りにした書籍は数多くありますよね。
その一節に馬券選びの章があったりはしますが、「馬券選び」に特化した本は少ないと思います。
この記事を読んでくれているあなたも、おそらく競馬をする際の努力の内訳は「予想>買い方」ではないでしょうか。
「いくら買い方が上手くても予想が当たらなければ意味がないじゃないか」という意見はごもっともです。
僕も本書を読むまではそう考えていましたからね。
しかし、「買い方次第で的中率、回収率を大きく向上することができる」というのが本書のメインテーマです。
券種別の買い方や考え方が詳しく書かれており「この券種はこういうレースに向いていて、こういう買い方をするのが効率的なのか」と参考になることばかりでした。
長く競馬をやっていると「荒れる・荒れない」が分かったり、各出走馬の力量などを鑑みて最適な券種選びや金額設定ができるようになってきます。
おそらく「なんとなくだけど分かる」という理解で馬券を買っていませんか?僕はそうです。
本所を読んでそのような曖昧さを無くし、武器として昇華させましょう。
いろんな券種を使っても良い、金額を変えても良い
レースによって買い方を変えるなんて、軸がブレて当たるものも当たらないのでは?
僕は読み進めながらそう感じました。
馬券の種類や購入金額など、その時の感情や資金に応じて変えていては回収率や的中率は
かえって低下してしまう、とよく言われていますよね。
具体的にいうと、
メインレースで外した・・・
↓
買う予定じゃなかったけど、最終12レースで負け分を取り返す!
↓
予定外なので予想時間も十分に取れず精神状態も普通では無いので、当然のように外す
こんな経験はありませんか?
JRAの番組構成は本当によくできているなと感心します。
メインレースを大トリに持ってこないのはこういう理由ですよね、きっと。
ギャンブラーのことを手玉に取っていますね・・・。
本書には券種併用における保険とボーナスという考え方など、多くの「戦術」が書かれています。
著者は馬券の種類は確かにバラバラですけど、目指すべき回収率はブレずに設定しております。
「単勝は1点勝負」なんて誰が決めた?
単勝を複数点買うなんて意味わからん!というようなことをシャンプー〇ットのて〇じさんが関西の某競馬バラエティで言っていましたね。
たぶん単勝1点勝負には一種の「潔さ」や「漢気」のような感情が含まれているのだと感じます。
単勝は勝ち馬1頭を当てる馬券ですから、多点買いすると他の馬券はハズレとなり「無駄」が目立ちますからね。
でも、馬連にしろ3連単にしろ的中が1点しかない券種はすべて1点買いしない限り「ハズレを含む」買い方となります。(同着という例外はありますが)
友達と「今日は単勝1点買いでどちらが勝てるか勝負しようぜ!」みたいな遊びをするときは良いですが(僕は絶対しませんが)、自宅でひとり黙々と競馬をするスタイルの僕にとっては「潔さ」や「漢気」といった感情はありません。
本所に何度も出てくる「買い方にルールはない。」という文章。
「泥臭くてもいいから勝ちを目指そう」とは著者の言葉。
「18通りしかない単勝と、5000通り近くもある3連単は、根本的に馬券を買う上での考え方が違う」とも書かれていますしね。
自分の癖と性格を把握し、適切な券種選択を。
巻末に収録されているキャプテン渡辺氏との対談ですが、TARO氏とは競馬に対するスタンスが異なるのでとても読み応えのある対談でしたよ。
人間の癖や性格は百人百様。
競馬のプロの技術をマネながら試行錯誤し、自分に最も適した遊び方を見つけることも競馬の醍醐味ではないでしょうか。
単勝をメインで買うならば確かな予想力が必須。
逆に予想力に自信がないのであれば実は一見当てやすそうな単勝や複勝よりも、3連複や3連単を選ぶべきなのです。
馬という動物が走るので、運の要素が強くなるのが競馬。この文章は印象に残っています。
本書のポイント
最後に本書のポイントをまとめておきます。
- 「馬券選び」に特化した本
- 回収率向上のための馬券の買い方
- 馬券の買い方にルールはない
- 自分に最も適した券種を見つけることも競馬の醍醐味
- 競馬を楽しむために本気を出す
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