今回紹介する1冊はこちら。
『バビロン 大富豪の教え』
【原 作】・・・ジョージ・S・クレイソン
【漫 画】・・・坂野 旭
【発行日】・・・2019年10月8日
【頁 数】・・・462ページ
Contents
こんな人にオススメします!
- お金についての基本を学びたい方
- 貯金が苦手な方
- 資産を増やしたい方
- 投資を始めたい方、始めたばかりの方
- 名著と呼ばれる本を読みたい方
原作者はどんな人?
- 1874年、米国ミズーリ州生まれ
- ネブラスカ大学卒業後、米西戦争中に、米国陸軍で軍務に就く。
- コロラド州デンバーにおいてクレイソン・マップ・カンパニーを設立。
- 1926年に節約と経済的成功をテーマにした短編寓話シリーズを発行。
- のちにこのシリーズが『The Richest Man In Babylon(バビロン一の大金持ち)』として単行本化され、90年以上たった今も世界中で翻訳されて、いまなお読者を増やしつづけている。
漫画担当
- 1995年、北海道生まれ
- 2014年に『戦場の華』が集英社のJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作・グランドトレジャー賞を受賞し、漫画家デビュー。
- 2020年2月3日より週刊少年ジャンプで『魔女の守人』を連載し、同年5月には単行本化。
- 2023年8月16日より、小学館の漫画アプリ・マンガワンならびに裏サンデーにて『獣王と薬草』を作画担当として連載開始。
本書の特徴
本書は1926年にアメリカで出版された『The Richest Ma In Babylon(バビロンいちの大金持ち)』を翻訳、脚本、漫画化したものです。
漫画化されておりストーリー仕立てになっているので読みやすく、知識がするっと入ってきます。
バビロンが舞台の本書ですが、各章の終わりにまとめページが差し込まれており「現代においてはどうすべきか」という解説があります。
お金に関する書籍の原点ともいうべき本
本書は現代に出版されている多くのお金に関する書籍の原点ともいうべき本です。
本書では『黄金に愛される七つ道具』、『お金と幸せを生み出す五つの黄金法則』というお金に関する考え方の指針が示されております。
この指針が本書のキモとなっており、「富と幸福」を生み出す生き方」の金言となっております。
時代を超えて通用する、人間が幸福になるための真理
金貨があれば目先の幸せは手に入るかもしれない。けどその先の安心までは買えない
本書の登場人物がこう話しているように、本書に書かれているのは目先のお金を手に入れる為のテクニックではありません。
「お金に愛される知恵を身に付けること」や「働くことの大切さ」「人との付き合い方」など、時代を超えて通用する真理が書かれています。
人とのつながりを持たなければ幸せを実感することはできない
幸せの感じ方は人それぞれ・・・。確かにそうです。しかし我々「ヒト」は社会を持つ生き物です。人と人とのつながりが無いと生きていくことはできません。
あらゆる幸福に関する調査で、お金が増えれば増えるほど幸せではなく、年収800万円程度がピークで、それ以上は収入が増えても幸福度は変わらないという結果が出ています。
本書の終盤では、働く必要のない王子が大富豪になっても働き続けている登場人物に向かって「お金を持っているのになぜ働くのか」と問いかけるシーンがあり、「富と幸福を生み出す生き方」を表した印象的な一幕となっています。
感謝されるために今、懸命に仕事をする。そうすればお金は後から付いてくる。
現代において「懸命な投資先」とは何か。
バビロンが舞台の本書でも、以下のような「投資」のエピソードがあります。
- 国を守る外壁に大きな青銅門を造る予定。
- 主人公たちは国中の青銅を集めても足りないだろうと予想。
- 出資者を募りキャラバンを組み、遠方に青銅を調達しに行く
- 国王が製造段階になって欲しがれば提供できるのは自分たちだけ
- 希少性により大きな利益となる
では、現代社会では何に投資をすればいいのかという疑問に対して「外国株式のインデックスファンドの長期運用」を推奨しています。
不動産やFX、ゴールドなど「需要と供給のバランス」で価格が決まるものとは異なり、株式は会社の成長とともに価値が上がっていきます。
世界中のさまざまな企業に投資できるインデックスファンドであれば、分散投資によりリスクも抑えられ、世界の成長に合わせて資産が増えていくといいます。
読んで感じたこと
「お金と向き合う為にまずは何をすべきか」という基本が理解できる本でした。
いわゆるマネーリテラシーですが、日本の学校ではカリキュラムに含まれておりません。現代社会を生きる人間に必須の知識なのに自分で学ぶしかありません。
それもあってか、日本人は必要以上にリスクを恐れる傾向にあると個人的に感じます。
「投資は減る可能性があるからやらない」、「いざというときに困らないよう多数の保険に加入する」・・・。
本書の冒頭に以下の記述があります。
現在ではリスクを取らずにお金を増やす方法はありません。学校でお金のリテラシーについて学ぶ機会のなかったわたしたちにとって、リスクを取ることに大きな抵抗があります。
「減る可能性のある投資よりも、堅実に貯金し銀行口座に貯めていく方が良い」という考えもあります。
事実、日本で30年続いたデフレでは現金の価値は減りませんでした。「不景気で給料が増えない」「いつまた経済危機が訪れるか分からない」という不安から、日本円で貯金する人が多いのも頷けます。
しかし、昨今のインフレで物価が上昇し、同じ一万円でもデフレ時と比べて買えるものが少なくなっています。つまりお金の「額」は減らなくても「価値」は減っています。
本書でも「貯金するだけでなくそれを運用して増やすべき」という主張がされています。
投資するにせよまずは貯金をして頭金を用意しなければ何も始めることはできませんから、貯金はとても大切です。
ただ、その貯金だけで乗り越えられていた時代(デフレの平成時代)は終わりました。
今後は自分を将来を見据え、どのようにすれば「富と幸福を生み出す生き方」ができるのかを考えなければならないと強く感じた一冊でした。
本書のポイント
本書が伝えたいこと
- 「富と幸福」を生み出す生き方」
- 黄金に愛される七つ道具
- お金と幸せを生み出す五つの黄金法則
- 人とのつながりを持たなければ幸せを実感することはできない
- 外国株式のインデックスファンドの長期運用
関連書籍
関連書籍の紹介記事もあるので、ぜひご覧ください!
ブログ「としけば!」にようこそ!