今回紹介する1冊はこちら。
『知っているようで知らない国債のしくみ』
【著 者】・・・ニック・マジューリ
【訳 者】・・・児島 修
【発行日】・・・2023年6月27日
【頁 数】・・・416ページ
こんな人にオススメします!
- 投資を始めたばかり、始めようと考えている方
- NISAが気になっている方
- 投資の心構えを知りたい方
- 投資は怖い、ギャンブルだと考えている方
著者はどんな人?
- Ritholtz Wealth Management社の最高執行責任者兼データサイエンティスト。
- 同社の業務全体を監督し、ビジネスインテリジェンスの観点から有益な分析を行っている。
- ウォール・ストリート・ジャーナルやCNBC、ロサンゼルス・タイムズなどに記事を寄稿。
- 緻密なデータに基づくパーソナルファイナンス関連の人気ブログ「OfDollarsAndData.com」を執筆している。
- スタンフォード大学卒(経済学学位)。
本書の特徴
本書が伝えたいこと
- インデックスファンドを買い続けることが最適解。
- まずは貯蓄が大切。
- 資産運用やお金の問題に対して、データと証拠に裏付いた解説。
- 相場の変動や暴落は必ず出会うもの。むしろ買いのチャンスと捉える。
- 時間ほど重要な資産はない。
本書の「はじめに」や帯にも書かれている、『データサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済みの方法』という一文。これは本書を端的に表しているなと感じます。
お金に関する通説に対して論理的に立ち向かっているので、陥りやすい勘違いや思い込みを是正できるはずです。
本書タイトルの「JUST KEEP BUYING」は「買い続ける」という意味。長い時間をかけてインデックスファンドを買い続けるとお金が増えていくという。
いわゆる「ドルコスト平均法」というものなのですが、なぜこの手法が適しているのかという解説がデータを用いてされています。
僕が個人的に良いなと感じたのは、巻末にまとめられている「21の黄金ルール」という本書の概要。非常に良くまとめられているのでまずはこの部分を読み、気になった章から読み始めるのも良いかと思います。
読んで感じたこと
初心者だけでなく、中級者以上にとっても有益な一冊だと感じます。
データに加え、身近な物事を題材にしたり例えたりして投資を分かり易く解説しているのも特徴のひとつ。
かの有名な「敗者のゲーム」を始め、インデックスファンドの優位性を伝える書籍は数多く存在していますが、本書はそれらと同様の内容です。
「なんだ・・・同じ内容なら読むのやめよ・・・」と立ち止まるのではなく、以下の考えもできます。
『同じような意見の本が時代が変わっても出版され続けるということは「実現性が高い有益な手法」だということの証明』でもありますよね。
本書の出版日は2023年6月ですので、日本では「新NISA」の話題で持ちきりだったころ。機運の高まりに乗じて売れた側面もあるでしょう。
しかし新NISAからの投資初心者はもちろん、以前から投資をしている中級者以上の方々も考え方、軸の調整を行う本としては適切なのではないかなと感じました。
本書は米国の書籍なので、経済状況やデータは米国の考え方を基準としています。なので、そのまま日本に当てはめることはできませんが、考え方は適用できるはずです。
「投資は怖い」、「減る可能性もあるからやらない」という声は未だに聞こえてきます。
今の日本は労働人口の減少、昨今のスタグフレーションで生活が非常に苦しいです。現金しか持ち合わせていないとインフレに対応できません。本書に以下の一文が記載されています。
労働収入のない退職者にとって、インフレに対抗する唯一の武器は投資資産を増やすこと。
資産を増やすためには長い年月が必要と本書のいたるところに書かれていますし、「時間の大切さ」について書かれた章もあります。
こういった本は定期的に読むことをオススメします。
本書のポイント
最後に、もう一度本書のポイントをまとめておきます。
本書が伝えたいこと
- インデックスファンドを買い続けることが最適解。
- まずは貯蓄が大切。
- 資産運用やお金の問題に対して、データと証拠に裏付いた解説。
- 相場の変動や暴落は必ず出会うもの。むしろ買いのチャンスと捉える。
- 時間ほど重要な資産はない。
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