今回紹介する1冊はこちら。
芝と砂の教え [ 本島修司 ]
『芝と砂の教え』
【著 者】・・・本島修司、nige
【発行日】・・・2022年12月31日
【頁 数】・・・215ページ
Contents
こんな人にオススメします!
- 二人の著者のメソッドを知りたい方
- コースの違いによる予想方法を知りたい方
- 自分の予想方法を確立させたい方
著者はどんな人?
・本島修司氏は作家、エッセイスト。
競馬論を説いた著書が多く、
・「競馬の本質を見極めると必然的に好走する」
・「この馬は次にどのレースで好走するか、という縦の比較」
を提唱し話題に。
以下は著者の別の書籍『Keiba Aloof Best Theory Note』に「一流の競馬男の定義」として書かれている文章です。
一流の競馬男は、木曜日か金曜日に競馬の見解をまとめ終わっている。
そして馬券はスマホで購入し、週末は競馬以外のことをしている。
競馬以外のコミュニティを持ち、そこで遊んだり、人と語ったことを、その後、競馬にも活かすようにしている。
本島氏の著した競馬書籍には、「勝てる」や「儲かる」といったキャッチは一切付けられておりませんし、射幸心を煽られることもありません。
「かっこいい大人の男の趣味」としての競馬との向き合い方が記されています。
・nige氏はダート専門の予想家。
2008年からブログで予想公開を始め、2014年より「ダート予想家兼馬券ヘルパー」として活動開始。同10月に編集部からの強い要望を受けて「競馬王」(ガイドワークス)にて媒体デビュー。
他の著書も多数あり。
書評にあたって
本というのは、著者からしたらいわば虎の巻。
核心に触れることを易々と引用してはいけないと僕は考えます。
このブログを読んでいただいているあなたに概要や見どころを紹介し、「本を買って詳しく読みたい!」と思ってもらえるような記事作りを目指しています。
本書の特徴
それでは、本書の見どころや特徴を紹介していきます!
競馬本との向き合い方が書かれた一節
以下は本書の「はじめに」に書かれているnige氏の文章。
この書籍は、二人の違う視点での化学反応を見ることで、あなたの競馬予想の刺激になるはずだ。二人の視点が必ず正解ではない。
でも、あなたにとっての正解を考えるだけで競馬力は必ず上がる。
この「あなたにとっての正解を考える」という言葉が僕あまざけに刺さりました。
競馬の本に限らず、その本に書いてあることが真実だとしても、それを自分なりに嚙み砕いて取り入れることが大切だと考えています。
「知っている」と「理解している」の違いはこういうことだと僕あまざけは考えています。
本書の構成
ひとつのテーマについて、
「芝」に対する見解を本島氏。
「ダート」に対する見解をnige氏。
それぞれの分野について書き連ねるというスタイル。
さまざまなテーマについて書かれており、
- 「これは強くならない!」と思う過剰人気馬の見抜き方
- 「稍重、重、不良」をどう見るか
- 「ファン心理」をどう見ているか
- コース別によるポイント
- 距離別によるポイント
- 「ローテーション」芝とダートでの問題点
など、全6章、各章8個前後のテーマについて述べられています。
なお、対談はありません。
二人の著者の特徴
本書を読んだ僕あまざけの著者に対する印象です。
本島氏は、
- 馬本位の考え方
- 本質を捉える
- 啓発的で、読者の”考える”を促進
nige氏は、
- 短所は捨て、長所を突き詰める
- 具体的で実践的
- 例えるなら、現場での対応方法
こんなところでしょうか。
本島氏の競馬書籍はたくさん読んだことがありますが、nige氏は本書が初めて。
考え方が違う二人の意見を同時に読むことが出来るので、考えの参考になるはずです。
読了後:あまざけの考え
「FAQ」のようなイメージ
競馬をしていると気になることが多い具体的なテーマについて書かれているので、直接役に立つ内容も書かれています。
企業のお問い合わせページにある「FAQ」のようなイメージですね。
「みんなが気になっている疑問に二人の競馬研究者が答えましたよ!」という本です。
本書は「正解へ向かうためのパーツ」
ですが、少し考えてみてください。
約200ページの本に二人分のメソッドなんて書ききれるはずがありませんよね。
なので、この本は「この一冊で勝てるようになる」という内容ではありません。
(万能の本なんてものはこの世に無いと思いますが・・・)
僕あまざけは、本書は「正解へ向かうためのパーツ」だと感じました。
「ディアゴ〇ティーニ」のように完成させるためには少しずつパーツを揃える、というイメージ。
二人に著者の考え方の片鱗に触れることができる
著者の本島修司氏の本は何冊も読んできましたが、本書を含め書かれている内容の軸は同じです。
その軸とは「ブレずに自分のメソッドを長年に渡って貫き通している」ということ。
競馬の本質というのは流行り廃りではなく、時が経っても変わらないものと述べております。
もう一人の著者であるnige氏についても、書かれていること自体はどこかで見たことがあるような内容もありました。
nige氏の他の著書は読んだことが無いので比較はできませんが、自分の得意を伸ばし、不得意は捨てて研究してきたからこそ結果が出ていると感じました。
「はじめに」に書かれているnige氏の文章にて、以下があります。
AIではない私たち人間は、処理しきれない多すぎる情報を「捨てるセンス」が問われている。
この文章は、自分なりの「考え方」を見つけるヒントだと感じました。
本書のタイトルにもある『馬券の「正解」をつくる』という言葉にも繋がります。
本をたくさん読み、パーツを集め、自分なりの正解を見つける。
そのために必要な本の一冊だと、読んで感じました。
本書のポイント
最後に本書のポイントをまとめておきます。
- 本書は「正解へ向かうためのパーツ」
- 「FAQ」のようなイメージ
- 芝とダートでは考え方が異なる
関連書籍
関連書籍の紹介記事もあるので、ぜひご覧ください!
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