運用キャリア30年超のファンドマネジャーが教える『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』【書評19冊目】

- 経済・金融に関する読み物
あまざけ
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今回紹介する1冊はこちら。


『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』

【著 者】・・・堀井正孝
【発行日】・・・2022年6月1日
【頁 数】・・・286ページ

こんな人にオススメします!

  • 金利についての基礎知識を知りたい方
  • 金利を投資に活かしたい方
  • 金利と経済の関わりを知りたい方
  • 金融政策の意味を知りたい方
  • 昨今の円安や米インフレで金利に興味を持った方

著者はどんな人?

SBIボンド・インベストメント・マネジメント㈱代表取締役。

第一生命保険㈱および系列運用会社で債券運用ファンドマネージャーとして従事した後、国際投信投資顧問㈱(現三菱UFJ国際投信㈱)で国内有数である先進国債券ファンド「グローバル・ソブリン・オープン」を担当。

債券運用歴30年超のベテラン。

あまざけの所感

あまざけ
僕は「本の内容を不用意に掲載しない」ということを心掛けています。

本というのは、著者からしたらいわば虎の巻。
核心に触れることを易々と引用してはいけないと僕は考えます。

このブログを読んでいただいているあなたに概要や見どころを紹介し、「本を買って詳しく読みたい!」と思ってもらえるような記事作りを目指しています。

金利をファクターとした投資の手法

本書は金利を使った投資本です。
そして金利や金融政策についての基本説明もあります。

「金融や経済のことをざっくりと知っているけど説明してと言われると難しい」という人には復習やインプットも兼ねて勉強ができます。

しかし、金利について詳しく勉強したいならそれに特化した別の本の方が良いと思います。

本書はあくまで「投資する上で必要な金利の知識」です。

投資先銘柄などは紹介されていませんが、金利を使った考え方や予測の方法、経済が今どのような状況(上昇前or下降前など)が詳しく解説されています。

本書には以下の記述があり、金利について端的にまとめた文章になっております。

「金利」は金融市場における「炭鉱のカナリア」です。
投資で成功を目指すなら、
・金利の何に注目すべきか
・どのような金利の変化に敏感になるべきか
・金利の変化に気づいた時、シナリオ(予測)をいかに修正できるか
・新たなシナリオを描けるか
これらが、景気の変化・転換点を知る要になります。

金利は景気の”今”を表す指標

以下は本書に書かれている金利の特徴。

金利はその種類にかかわらず、いずれも
①日次でデータの取得ができる(速報性)
②データが改定されない(確実性)
③個々の企業の影響を受けやすい株式などと違い個別要因が少ない
という”今”を反映しやすい特徴があります。

『金利には四季があり、季節がわりの際には必ずサインがある』と著者は言います。

  • 政策金利
  • 長期金利
  • 社債利回り

この3つの金利、そして国の「景気」と企業の「信用」というふたつの指標がそのサインになるとのこと。

全ては循環している

景気後退局面を予測したいなら、長短金利差の動向を追うのが有効な手段の1つです。

好景気、不景気。景気には「波」がありますよね。

この波に金利が大きく関わっており、そしてその波は米国から始まるとのこと。

米国は最大の消費国で、貿易赤字国でもあるので、米国内の景気が世界経済に大きな影響を与えることは周知の事実。

そして世界の基軸通貨である米ドル。

金利、米国経済、米ドルの流れ・・・。これらを利用して景気サイクルを予測されています。

あまざけ
「景気サイクルを予測に活かせ!」と題して具体的に説明があり、サイクル転換点の特徴や見極め方を過去の事例から紹介されています!

銀行が融資を積極的にするのかどうか、企業に対する「信用」も判断材料になるとのこと。

景気が上振れするor下振れする局面とあるのですが、それのサインは銀行決算や銀行CEOのコメントに表れると言います。

先進国/新興国、株式/債券/商品など、いずれの場合も、良い局面の後には厳しい局面が訪れます。
それは、金利が下がれば借入を増やし、金利が上がれば借入を減らす、という金利の原理が景気の波を作るからです。
「全ては循環している」のです。

本書のポイント

最後に本書のポイントをまとめておきます。

この本のポイント

  • 金利をファクターとした投資の手法
  • 本書には「投資する上で必要な金利の知識」が書かれている
  • 金利は金融市場における「炭鉱のカナリア」
  • 金利は景気の”今”を表す指標

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あまざけ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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