「生きていく上で必要な知識」なのに、誰も教えてくれない。
「お金」に関すること。
投資、社会保険、税金、各種控除・・・。
学校での勉強とは違い、誰も教えてくれませんでした。
知らなくても生きてはいけるけど、知らないと損をします。
そんなことにならない為に、一緒に勉強していきましょう。
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契約者にもしものことがあったら残りの住宅ローン返済が不要になる保険
団体信用生命保険。
略して「団信(だんしん)」。
住宅ローンを組んで物件を購入するときに強制的に(一部例外あり)加入させられるこの保険。
これは、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害により今後の支払いが出来なくなった際に、保険会社から金融機関に残りのローンの返済が行われる生命保険です。
死亡保険とはまったく別モノの生命保険
団信は、契約者が死亡または高度障害になった際に保険金が支払われます。
「死亡」という条件は死亡保険と同じです。
が、死亡保険は「遺族」が保険金を受け取るのに対し、団信の保険金の受取人は「融資を受けた銀行」です。
保険金を受け取った銀行はその保険金で残ったローン返済に充当します。被保険者や遺族は保険金を受け取れません。
しかし受取人が銀行なので、被保険者または遺族は所得税などの税金を支払う必要がありません。
「契約期間中に亡くなったら○○万円」と決められている死亡保険とは異なり、「残っている住宅ローンの返済が不要になる」という保険が団信なのです。
「死亡保険の必要保障額」で居住費を考慮する必要はありません
死亡保険に加入する際は「必要保障額」というものを計算し、その補償額に応じて月々の保険料が決まります。
「必要保障額」とは、収入が途絶えてしまった遺族が当面生きていくために必要な資金で、教育費や生活費などが該当します。
団信に加入すると残りの住宅ローンの支払いが不要になるので、住宅ローン残高を死亡保険でカバーしていると「保険が重複している」状態となり、保険料に無駄が発生しています。
なので、「夫にもしものことがあった時にローンの支払いができなくなると困るから死亡保険で賄おうと考えています」といった心配は無用です。
もし死亡保険の保障額に住宅ローン残高を考慮しているならば保険料の無駄ですので、すぐに保障額を下げましょう。
保険料の自己負担ゼロ
保険と聞くと、気になるのは保険料。
団信の保険料は銀行が負担することが一般的なので、契約者の負担はゼロです。
ですが「ゼロ」というのは”保険料という名目での支払いが無い”というだけで、多少なりとも金利に含まれています。
特約は後から付けたり外したりできない
保険料は銀行負担ですが、「特約」を付けた場合には保険料が上乗せされます。
注意すべきなのは、団信の特約は後から付けることができませんし、後から解除もできません。
このような使い勝手の悪い特約を付ける必要はありません。
そもそも団信は「残った住宅ローン返済のための保険」なので、病気やケガへの保障は貯蓄や健康保険で対応すべきです。
団信へ加入できなければローンを組めない
団信も「生命保険」ですので、民間保険会社の死亡保険や医療保険と同様に、審査に通らなければ加入できません。
なので、健康上の不安がある人は団信への加入を拒否される場合もあります。
銀行から融資を受けるための条件のひとつが「団信への加入」なので、加入できなければ融資を受けられません。
それでも融資を受けたい場合は以下のふたつの方法があります。
- 審査基準が緩めの「ワイド団信」に加入する
- 団信への加入が任意の「フラット35」を利用する
審査基準が緩めの「ワイド団信」
ワイド団信は、健康上の理由などで一般の団体信用生命保険には加入できない人に向けた、審査基準が緩めの団体信用生命保険のことです。
これは通常の団体信用生命保険のように無料ではなく、0.2~0.3%ほど金利が上乗せになります。
金利以外については一般の団体信用生命保険と同じです。
死亡や高度障害状態などの”もしも”のときのローンの返済を保険金で賄えるようになります。
団信への加入が任意の「フラット35」
「フラット35」とは住宅ローンを組む際のサービスの一種で、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して融資を行います。
特徴をざっとまとめると以下の通り。
- 完済まで固定金利
- 団信への加入は任意
- 連帯保証人が不要
- 融資限度額は8,000万円まで
- 融資率9割以上だと金利UP
フラット35にもメリットとデメリットの両方ありますが(当記事のテーマじゃないので詳しくは書きませんが)、最大の特徴は固定金利で金利は高めということ。
フラット35の金利は約1.2%~1.7%程度で、変動金利だと0.5%前後。
もちろん金融機関によって異なりますし、各種割引などもあります。
固定金利と変動金利どちらにもメリットデメリットはありますし、一般的な住宅ローンとフラット35とどちらが良い悪いというものでもありません。
「自分に合ったプランを選んでローンを組める」という選択肢のひとつだと考えてください。
まとめ
この記事でぼくが一番言いたいことは、「死亡保険と重複することが無いように」ということ。
団信のことを知らない、もしくは忘れている人は3割近くいるとのデータがあります。
知らないまま別の死亡保険に加入し「住宅ローン残高を賄うために高額の保険料を払っている」ということがないようにしてください。
以下は団信の概要です。
- 住宅ローン返済のための生命保険
- 団信未加入では住宅ローンが組めないが、例外もあり
- 保険料は銀行負担分と支払う金利に含まれているので、別途の支払いは無し
- 特約の付帯は契約時のみ可能で、後から付帯・解約ができない
なので、概要だけを覚えておいて必要な時に詳細を調べ直すようにしましょう。
住宅ローンを組むときに”加入しなければならない生命保険”があるのをご存じでしょうか。
この記事では「団体信用生命保険」について僕が勉強したことを発信します!