代表的な株価指数を知ろう

- マネーリテラシー
あまざけ
日経平均、NYダウ、ナスダック・・・
ニュースでよく聞く代表的な「株価指標」の説明です。

日経平均株価

日経平均株価とは、日本経済新聞社という民間企業が発表する株価平均型の指数

東証一部上場企業の中から代表的な225社の株価をもとに計算されます。

あまざけ
日本の代表的な株価指数が、わずか225社の株価で構成されていると知った時は驚きました・・・。
ですが、日本の株式市場の大きな動きを把握する指標として様々なところで用いられています。

「日本を代表する企業」は時代によって変化しますが、頻繁に銘柄を入れ替えると指標としての連続性が損なわれる可能性があります。
なので、指数の連続性を保ちつつも1年に1回、1~2銘柄を入れ替えて市場の最新状況の反映を行っています。

東証1部の上場企業は約2,200社。そのうちの上位10銘柄が下記の表になります。

コード 企業名 構成率
9983  ファーストリテイリング 10.08%
8035  東京エレクトロン 6.00%
9984  ソフトバンクグループ 5.90%
6954  ファナック 3.36%
9433  KDDI 2.67%
6367  ダイキン工業 2.56%
6857  アドバンテスト 2.52%
4063  信越化学工業 2.34%
4543  テルモ 2.26%
2413  エムスリー 2.25%

2021/6/16

上記表の通り、代表的225銘柄とはいえ採用銘柄のうち上位10銘柄で約40%を占めています。

”株価”をもとに算出されるので、株価が高い一部の値がさ株の動きに大きく影響されます。

指数の推移

このグラフは過去30年間の月間終値をもとに作成。
株価に影響を与えた大きな出来事も併せて記載しました。出来事と株価を併せて見るのも大切ですね。

あまざけ
ちなみに僕はリーマンショックと東日本大震災が発生した時期に大学へ通っていて、その中で就職活動をしていたので世間の暗さを初めて目の当たりにした苦い思い出があります・・・。

日経”平均”株価、といっても単純な平均計算をすると正しい数値ではなくなる(株式分割などにより)ので、計算に調整が入っています。
細かい計算方法は知る必要はないと思いますが、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか?

あまざけ
ちなみに僕は調べようとしましたが計算方法がなかなか複雑で、そして知るメリットがあまり無いと思ったので途中でやめました笑

東証株価指数(TOPIX)

東証株価指数とは、東証一部上場の全銘柄を対象とする時価総額加重型の株価指数のこと。

英語だとTokyo Stock Price Indexで、略してTOPIX(トピックス)と呼ばれています。

TOPIXは、日経平均株価と並ぶ日本の代表的な株価指数です。
東証一部上場の全銘柄(約2,200社)の時価総額が対象となっている加重平均型株価指数です。

”時価総額”をもとに算出されるので、時価総額が高い一部の大型株の動きに大きく影響されます。


算出方法について。
1968年1月4日の時価総額(8兆6,020億5,695万1,154円)を基準の「100ポイント」として、これと現在の時価総額を比べて指数を算出しています。

”現在の時価総額”といっても、株式は市場で流通している浮動株売買の対象となりにくい固定株に分けられます。

TOPIXを算出する上で対象となる株はこの「浮動株」のみです。

Check!
固定株:親会社や役員が保有している、市場に出回る可能性が低い株式
浮動株:上場株式数から固定株を除いた株式

指数の計算方法は以下の通りです。

あまざけ
実際、浮動株はどれぐらいあるのでしょうか?
指数は証券会社のHPなどで簡単に見ることができますので、そこから逆算して浮動株を計算してみます。

2021年6月17日のTOPIX終値:「1,963.57ポイント」
1968年の基準時価総額:「8兆6,020億5,695万1,154円」

1963.57ポイント ÷ 100 × 8兆6,020億5,695万1,154円
=168兆9,074億967万5,775円(浮動株の時価総額)

2021年6月17日の東証一部の時価総額(発行済み株式):「730兆9,467億円」

あまざけ
この23%の浮動株を個人投資家たちは日々売買をしているということになりますね。

指数の推移

このグラフは過去30年間の月間終値をもとに作成。
当然ですが、日経平均株価と同じような動きをしています。

ダウ工業株30種平均

ニューヨーク・ダウとも呼ばれる、アメリカのダウ・ジョーンズ社が算出、発表しているアメリカを代表する株価指数です。
「ダウ平均」や「NYダウ」と呼ばれることもあります。
※ダウ・ジョーンズ社・・・経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」を発行している企業

1896年5月に算出が始まり、世界初の株価指数であると言われています。
”工業株”とありますがかなり広い意味で捉えており、鉄道と公共事業以外の会社であればすべての企業が対象となります。

2021年2月末時点では、ニューヨーク証券取引所の上場数は2,873社。ナスダック市場への上場数は3,055社。
この約6,000社の中から30銘柄を対象にしています。

この指数が誕生したのは今から100年以上も前ですので、当然コンピュータはありません。現在になっても30社のみと採用銘柄数が少ないのは、創設当時の紙と鉛筆でしか計算できない環境があったためと言われています。

なお、
・1896年スタート当初は12銘柄
・1916年に20銘柄
・1928年から30銘柄

で構成されるようになりました。

銘柄選択は特にルールがあるわけでは無く時代の流れに合わせて入れ替えられており、選ばれるのは、評判が高く、成長が持続的で、多くの投資家が高い関心を示す、といった企業です。

算出方法はダウ式修正平均という方法(後に日経平均株価の算出にも応用された)で、銘柄入れ替えなどがあっても過去との連続性を失わないように修正が加えられています。

なお、銘柄の入れ替えは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の編集陣によって行われています。

あまざけ
30社の株価を単純に株数で割った株価平均型の指数なのですが、日経平均と同じく指数の連続性を確保するための調整が入ります。
この細かい計算方法などは日経平均株価と同じく現状では必要性をあまり感じなかったので調べていません!笑

指数の推移

NYダウはこの30年間でなんと9倍近くまで成長しています。

日経平均株価の成長は30年間で1.3倍程度ですので、アメリカの成長がいかに著しいかが分かります。

S&P500

S&P500(エスアンドピーごひゃく)とは、「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC」という企業が公表している米国の時価総額加重型の株価指数。

S&P500は1957年に算出が開始され、NYダウと並ぶ米国の代表的な株価指数です。
ニューヨーク証券取引所、ナスダック等に上場している企業から代表的な500銘柄の時価総額が対象となっております。

算出方法については、1941年から1943年における時価総額の平均を「基準の10ポイント」として、これと現在の時価総額を比べて指数を算出しています。

日本のTOPIXと同様に”時価総額”をもとに算出されるので、時価総額が高い大型株の動きに大きく影響されます。

あまざけ
ちなみに「S&P」は “Standard & Poor’s”の略称で、算出している会社の旧社名「スタンダード&プアーズ・レーティング・サービシズ」が由来となっています。

指数の推移

このグラフは過去30年間の月間終値をもとに作成。

対象は違えど同じ米国株価指数のNYダウと同じような動きをしていますね。
こちらも30年間で9倍近くまで成長しています。

NASDAQ総合指数

NASDAQ総合指数(ナスダックそうごうしすう)とは、ナスダック市場の全銘柄を対象とする時価総額加重平均型の株価指数のこと。

算出方法については、1971年2月5日の時価総額を「基準の100ポイント」として、これと現在の時価総額を比べて指数を算出しています。

様々な業種を対象としているS&P500と違って、ナスダック市場にはハイテク株やインターネット関連株の多くが上場しているため、NASDAQ総合指数はハイテク株の占める割合が高いことが特徴です。

以下の表は、ナスダック市場の上位20銘柄です(2021/6/25時点)。
錚々たる企業が名を連ねていますね。

順位 名称 時価総額
1 アップル $2,226,296,852,000
2 マイクロソフト $2,008,595,617,000
3 アマゾン・ドット・コム $1,739,452,911,000
4 アルファベット $823,718,194,000
5 フェイスブック $822,275,451,000
6 アルファベット $736,829,768,000
7 テスラ $654,891,305,000
8 エヌビディア $478,601,060,000
9 ペイパル・ホールディングス $344,442,013,000
10 ASMLホールディング $287,500,134,000
11 アドビ $276,408,280,000
12 コムキャスト $257,026,401,000
13 ネットフリックス $229,709,221,000
14 インテル $226,410,660,000
15 シスコ・システムズ $222,425,721,000
16 ペプシコ $201,262,226,000
17 ブロードコム $192,847,079,000
18 TモバイルUS $181,542,493,000
19 テキサス・インスツルメンツ $174,185,772,000
20 コストコ・ホールセール $173,322,029,000
あまざけ
ナスダック総合指数を簡単に言うと、「TOPIXのナスダック市場Ver.」ですね。

指数の推移

このグラフは過去30年間の月間終値をもとに作成。

IT関連企業が大部分なだけに、近年の成長が凄まじいですね。

FTSE100

FTSE100(エフティエスイーひゃく)とは、ロンドン証券取引所に上場している時価総額上位100銘柄で構成されるイギリスの代表的な時価総額加重平均型の株価指数

算出方法については、1983年12月31日の時価総額を「基準の1,000ポイント」として、これと現在の時価総額を比べて指数を算出しています。

ロンドン証券取引所が全額出資するFTSE(英国フィナンシャル・タイムズ社と、ロンドン証券取引所グループの合弁会社)というインデックス会社が提供しており、「FTSE100種総合株価指数」「FT100種総合株価指数」「FT100種平均株価指数」とも呼ばれます。

指数の推移

【まとめ】

今回、紹介した指数の一覧です。

名称 銘柄数 算出方法 単位
日経平均株価 日本 225 株価平均型
TOPIX 日本 東証一部全銘柄 時価総額加重平均型 ポイント
NYダウ 米国 30 株価平均型 ドル
S&P500 米国 500 時価総額加重平均型 ポイント
ナスダック総合指数 米国 ナスダック全銘柄 時価総額加重平均型 ポイント
FTSE100 英国 100 時価総額加重平均型 ポイント
あまざけ
経済ニュース、インデックスファンド、株価の騰落など、身近なところで見かけることが多いので大まかな内容だけでも知っておきましょう!

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